「レクサスLBX、デザインは最高だけど後部座席が狭すぎるのではないか?」
今、この車を検討している方が抱いている最大の懸念はそこではないでしょうか。
結論から申し上げます。
レクサスLBXの後部座席は間違いなく狭いです。
ファミリーカーとしての広さを期待してディーラーに行くと、ドアを開けた瞬間にそのタイトさに驚き、検討リストから外すことになるかもしれません。
しかし、数多くのプレミアムコンパクトを見てきた経験から言えば、この「狭さ」こそがLBXの本質であり、レクサスが意図した最大の武器でもあります。
なぜなら、居住性を割り切ることで得たスタイルと運動性能は、これまでの国産コンパクトSUVにはない特別な価値を生み出しているからです。
この記事では、カタログスペックだけでは見えてこない「実際の膝前の余裕」や「チャイルドシート設置の現実」を、忖度なしの辛口視点で徹底解説します。
LBXがあなたにとって「最高のアシ」になるのか、それとも「後悔する買い物」になるのか、その判断基準を明確にお伝えします。
- 身長175cm以上の男性が後席に座るには厳しい足元空間
- クラスの常識を覆す圧倒的な内装質感と静粛性
- 街乗りでリッター24km前後に達する驚異的な実用燃費
- チャイルドシート設置や積載性はファミリー利用に不向き
- 「一人か二人で乗る」と割り切れる人には最高の相棒
レクサスLBXの後部座席は本当に狭い

出典:トヨタ自動車
レクサスLBXを語る上で避けて通れないのが、後部座席の居住性という問題です。
多くのユーザーが「狭い」と口を揃えますが、それは単なる感想ではなく、物理的な寸法とプラットフォームの制約から来る明白な事実です。
この車はトヨタのGA-Bプラットフォームを採用していますが、開発陣は「小さな高級車」を実現するために、意図的に後席スペースを犠牲にするという大胆な決断を下しました。
具体的に言えば、全長4,190mmというコンパクトなボディの中で、ロングノーズの美しいプロポーションと大径タイヤを履きこなすスタンスを実現するためには、キャビンの前後長を削るしかありませんでした。
競合となるアウディQ2や兄弟車のヤリスクロスと比較しても、LBXの後席は明らかにミニマムです。
乗り込んだ瞬間に感じるのは「包まれ感」といえば聞こえはいいですが、正直に言えば「閉塞感」に近いタイトさがあります。
しかし、これを「設計ミス」と捉えるのは早計です。
レクサスは、この車を「多人数乗車のためのSUV」ではなく、「ドライバーとパートナーのためのパーソナルクーペ」として定義しているからです。
後席はあくまで緊急用、あるいは荷物置き場としての割り切り。
このコンセプトを理解せずに「SUVだから広いだろう」という先入観で購入すると、納車後に大きな後悔をすることになります。
まずは、この物理的な制約を正しく認識することが、LBX選びの第一歩です。
| 項目 | 数値 / 特徴 | 備考 |
|---|---|---|
| 全長 | 4,190 mm | 都内でも扱いやすいサイズ |
| 室内長 | 1,845 mm | 後席足元はタイトな設計 |
| 荷室容量 (FWD) | 402 L | 日常の買い物には十分 |
| 荷室容量 (AWD) | 317 L | モーター搭載で床面が上がる |
| 後席居住性 | 膝前スペース小 | 175cm以上は窮屈感あり |
身長180cmの男性には厳しい膝元
身長180cmのドライバーが運転席でポジションを合わせた状態で、そのまま自身の後ろの席に座ってみると、結果は非常にシビアです。
膝前のスペースは「拳一個分」どころか、膝頭がフロントシートの背面に触れるか触れないかというギリギリのレベル。
前席のシートバックがえぐられた形状になっているため、なんとか膝を収めることはできますが、長時間この体勢で移動するのは苦痛を伴います。
足元のスペース、いわゆるトゥルームに関しては、フロントシートの下に足先を滑り込ませる隙間があるため、意外にもそこまでの窮屈さは感じません。
しかし、膝周りの自由度が極めて低いため、足を組むことは不可能ですし、姿勢を変えるのも一苦労です。
頭上空間に関しては、ルーフが後方まで伸びているデザインのおかげで、髪の毛が天井に触れるような圧迫感はありませんでした。
この点は、クーペスタイルを優先してルーフを極端に下げたSUVよりも優れています。
結論として、LBXの後席に身長175cm以上の男性を乗せるのは「片道30分以内の送迎」が限界でしょう。
友人を乗せてゴルフや長距離ドライブに行くシーンが多いのであれば、悪いことは言いません、上位クラスのNXやRX、あるいはパッケージングに優れた他社SUVを検討すべきです。
LBXの後席は、小柄な女性や子供であれば問題ありませんが、大人の男性にとっては「移動する我慢大会」になりかねません。
チャイルドシート設置における壁
小さなお子様がいるご家庭にとって、LBXの購入は慎重な判断が必要です。
特に、新生児から使用する「後ろ向きチャイルドシート」の設置は、この車にとって最大の鬼門と言えます。
実際にISOFIX対応の一般的な回転式チャイルドシートを後席に取り付けようとすると、その深刻なスペース不足に直面します。
後ろ向きにセットするためには、前席をかなり前方にスライドさせる必要があります。
その結果、助手席の足元スペースは極端に狭くなり、大人が座ると膝がグローブボックスに当たってしまうほどの状態になります。
これでは、家族での移動中に助手席のパートナーが快適に過ごすことは不可能です。
さらに深刻なのは安全性への懸念です。
チャイルドシートメーカーの多くは、安全確保のために前席とチャイルドシートの間に一定の隙間(約3.8cm程度)を空けることを推奨していますが、LBXの室内長ではこのクリアランスを確保するのが物理的に困難なケースが多々あります。
前向きのジュニアシートであれば設置は可能ですが、それでも子供が足をバタつかせれば、高級な前席の背面レザーはすぐに泥だらけになるでしょう。
ドアの開口部も狭いため、重いシート本体の出し入れや、子供の乗せ降ろし自体も腰に負担がかかります。
若いファミリー層が「おしゃれなファミリーカー」としてLBXを選ぶのは、実用性の面でリスクが高すぎます。
この車は、子育てがひと段落した世代か、独身・カップル世帯にこそマッチするパッケージングなのです。
小さな高級車の内装質感と居住性

Auto Life Naviイメージ
「小さい車=安い車」というこれまでの常識を覆すこと。
それがLBXの開発における最大のテーマでした。実際に運転席のドアを開け、シートに体を沈めた瞬間に、その狙いが成功していることを肌で感じ取れます。
ここにあるのは、クラスのヒエラルキーを超越した、正真正銘の「レクサスの世界」です。
従来のコンパクトカーで見られたような、プラスチックがむき出しのドアトリムや、安っぽいスイッチ類の操作感はここにはありません。
視界に入るもの、手に触れるものすべてが入念に作り込まれており、兄貴分であるRXやNXから乗り換えても、決して「格下げ」したとは感じさせない密度感が漂っています。
特にドライバーを中心としたコックピットのレイアウトは秀逸で、適度な包まれ感が「運転する喜び」を予感させます。
比較対象として挙げられるアウディQ2(2021年モデル)の内装も機能的で素晴らしいですが、基本設計の古さは否めません。
対してLBXは、最新のデジタルインターフェースと、日本の伝統美を融合させたモダンな空間に仕上がっています。
単に豪華な素材を張り巡らせただけでなく、空調の吹き出し口のあしらいや、アンビエントライトの柔らかい光の演出など、細部にまで「おもてなし」の心が宿っています。
この圧倒的な質感の高さこそが、狭さを補って余りあるLBXの最大の魅力と言えるでしょう。
上位モデル顔負けの素材使い
LBXの内装を詳しく見ていくと、その素材使いの贅沢さに驚かされます。
特に上位グレードやオーダーメイドシステム「Bespoke Build」で選択できるセミアニリン本革シートは、しっとりとした手触りで、座った瞬間に身体に馴染むような極上の座り心地を提供してくれます。
ステアリングホイールの革の質感一つとっても、滑らかで手に吸い付くような感覚があり、毎日触れるたびに所有欲を満たしてくれます。
「Tazuna Concept」に基づいたコックピットは、視線移動を最小限に抑えるよう設計されており、メーターフードやセンターコンソール周辺には、スエード調素材やソフトパッドが惜しみなく使われています。
コンパクトカーではコストカットの対象になりがちな、ニーパッド(膝が当たる部分)やドアのアームレストにもしっかりと厚みのある素材が配置されており、長時間の運転でも身体への負担を軽減してくれます。
ライバルたちがハードプラスチックで済ませるような足元やドア下部に関しても、LBXは質感への配慮を忘れていません。
この「目に見えない部分へのこだわり」こそが、レクサスがプレミアムブランドたる所以です。
車体サイズは小さくても、提供される体験は紛れもなくフラッグシップ級。
このギャップに価値を見出せる人にとって、LBXの内装はこれ以上ない満足感を与えてくれるはずです。
静粛性がもたらす移動の質
ドアを閉めた瞬間に訪れる「静寂」。これこそが、LBXが他のコンパクトSUVと一線を画す決定的な要素です。
走り出しから市街地走行においては、ハイブリッドシステムの恩恵もあり、まるでEVのように滑らかで静かです。
外部からの騒音侵入を防ぐために、遮音ガラスの採用や吸音材の最適配置が徹底されており、窓の外の喧騒が遠くの出来事のように感じられます。
特に感心するのは、荒れた路面を通過した際のロードノイズの処理です。
GA-Bプラットフォームの弱点となりがちなフロアの微振動やこもり音を徹底的に抑え込んでおり、サスペンションがしなやかに路面の凹凸を吸収する感覚と相まって、車格を超えた重厚な乗り味を実現しています。
高速道路での風切り音も効果的に抑制されており、助手席のパートナーと声を張り上げることなく、普段通りのボリュームで会話を楽しむことができます。
もちろん、アクセルを深く踏み込めば3気筒エンジン特有のノイズは入ってきますが、それすらも不快な雑音ではなく、遠くで響くメカニカルサウンドとして調律されています。
アウディQ2が「運転する楽しさ」をエンジン音と共に伝える車だとすれば、LBXは「移動のストレスを極限まで減らす」ことに注力した車です。
この静粛性がもたらす精神的な余裕は、日々の通勤や週末のドライブを、疲れる移動からリラックスタイムへと変えてくれるでしょう。
街乗りで輝くハイブリッドの燃費

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昨今のガソリン価格高騰を考えると、車の維持費、特に燃費性能は無視できない要素です。
この点において、レクサスLBXは圧倒的なアドバンテージを持っています。
搭載される1.5L直列3気筒ハイブリッドシステムは、コンパクトなボディを軽快に走らせるだけでなく、世界トップレベルの熱効率を誇ります。
競合のアウディQ2(35 TFSI)が純粋なガソリンエンジンモデルであり、ハイブリッドの選択肢がないことは、現代の電動化トレンドにおいては明確な弱点となり得ます。
Q2の実燃費も決して悪くはありませんが、ストップ&ゴーが頻発する日本の都市部では、どうしてもアイドリングや低速走行時の燃料消費がかさんでしまいます。
対してLBXは、モーターのみで走行できる領域が広く、渋滞や信号待ちが多い街中ほどその真価を発揮します。
エンジンが始動する際も振動は最小限に抑えられており、いつエンジンがかかったのか気づかないほどスムーズです。
この「罪悪感のない走り」は、環境意識の高いユーザーだけでなく、月々の出費を抑えたい現実的なユーザーにとっても大きな魅力となるはずです。
給油回数が減るという事実は、想像以上にカーライフの快適性を向上させてくれます。
カタログ値に迫る実用燃費
カタログスペック上の数値はあくまで参考値、実燃費は大きく落ちるのが通例ですが、LBXに関してはその常識が良い意味で裏切られます。
メーカー公式サイトの諸元表(参考:LEXUS LBX 主要諸元表)によると、WLTCモード燃費は27.7km/L(2WDモデル)という驚異的な数値を叩き出しています。
実際のオーナーの声や試乗データを総合すると、エアコンを使用した一般的な街乗りでも22km/L〜24km/L前後の数値を容易に記録します。
流れの良い郊外路であれば、カタログ値を超えることすら珍しくありません。
これは、同じエンジンを積むヤリスクロスよりもさらに制御が洗練されている証拠であり、レクサスのハイブリッド技術の成熟度を物語っています。
アウディQ2の実燃費がおよそ13〜15km/L程度であることを考えると、LBXの経済性は圧倒的です。
年間1万キロ走るユーザーであれば、燃料代の差額だけで数年後には大きな金額になります。また、LBXはレギュラーガソリン仕様である点も見逃せません(※Morizo RRなどの高性能版を除く)。
ハイオク指定の輸入車と比較して、ランニングコストの安さは精神的な気楽さにも繋がります。
「高級車に乗りたいが、維持費で苦労したくない」という層にとって、これほど合理的な選択肢は他にないでしょう。
購入後に後悔するケースと不満点

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ここまでLBXの魅力を語ってきましたが、公平なレビューのために、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しがちなポイントについても触れておく必要があります。
LBXは「刺さる人には深く刺さる」車ですが、万人に勧められる優等生ではありません。
特に、車の使い方やライフステージによっては、その特徴が大きなデメリットとして立ちはだかることがあります。
最も多い後悔の声は、やはり「積載性とユーティリティ」に関することです。
デザイン優先のスタイリングは、バックドアの傾斜を強くしており、荷室の高さ方向の余裕を奪っています。
スーパーでの日常的な買い物程度なら問題ありませんが、キャンプ道具を積み込んだり、大型のスーツケースを複数個載せたりするようなシーンでは、明らかにキャパシティ不足を感じます。
特にAWDモデルを選ぶと、リアモーターの影響で荷室床面が高くなり、容量がさらに減少します(FWDの402Lに対し、AWDは317L)。
また、ナビゲーションやインフォテインメントシステムについても、画面サイズこそ十分ですが、操作性や機能面で「もう少し」と感じる部分があります。
最新の輸入車やEVが提供する巨大ディスプレイや先進的なインターフェースに慣れていると、少し保守的に感じるかもしれません。
これらの不満点は、試乗時には気づきにくい部分ですので、自身の使い方を具体的にシミュレーションして確認することが重要です。
ファミリー層が直面する課題
前述したチャイルドシートの問題に加え、ファミリー層がLBXを所有する上での課題は他にもあります。
それは「車内での動線の悪さ」です。後席のドア開口部が狭いため、子供を抱っこしたまま乗り込む動作や、雨の日に傘をさしながら荷物を出し入れする動作が非常に窮屈になります。
また、後席にはエアコンの吹き出し口やUSBポートなどの快適装備が十分に備わっていないグレードもあり、後席乗員への配慮という点では、ミニバンやハイトワゴンには到底及びません。
「基本はワンオペ育児で、たまに家族全員で乗る」という使い方であっても、その「たまに」の移動がストレスフルなものになれば、車への愛着は薄れてしまいます。
もしあなたが、週末ごとに家族4人でショッピングモールに出かけたり、帰省で長距離を走ったりするライフスタイルを送っているなら、LBXは最適なパートナーとは言えません。
デザインやブランドに惹かれる気持ちはわかりますが、家族の快適性を守るためには、UXやNX、あるいは機能性に優れた他メーカーのSUVを選ぶ勇気も必要です。
LBXはあくまで「個」を楽しむ車であり、「家族」をもてなす車ではないのです。
価格に見合う価値はあるのか
LBXの価格帯は460万円からスタートし、上位グレードやオプションを含めると550万円を軽く超えてきます。
この価格を見て「ヤリスクロスと同じプラットフォームの車に500万?」と疑問を抱くのは当然の反応です。サイズだけで判断すれば、確かに割高に感じるでしょう。
しかし、その価値を「サイズ」ではなく「密度」と「時間」で測ってみてください。
上位クラスと同等の静粛性、精密に組み上げられた内装、そしてレクサスオーナーだけが享受できるディーラーでの手厚いサービス(レクサスケアメンテナンスプログラムやオーナーズデスクなど)。
これらは、単なる移動の道具以上の満足感を提供してくれます。
アウディQ2と比較しても、LBXには5年間の走行距離無制限保証が付帯しており、長期的な安心感という点では大きなアドバンテージがあります。
輸入車は3年保証が一般的であり、その後のメンテナンスコストも高額になりがちです。
「壊れにくく、維持費が安く、それでいて高級車としての見栄えと満足感がある」。
このパッケージに500万円を払う価値は十分にあると言えます。
もしあなたが「見かけの大きさ」よりも「中身の質」にお金を払える大人なら、LBXは決して高い買い物ではありません。
割り切りが美学となる賢明な選択

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レクサスLBXは、誰にでもおすすめできる車ではありません。
「大は小を兼ねる」という価値観を持つ人には、もっとも不向きな一台でしょう。
後部座席は狭く、荷物もそれほど載りません。
しかし、だからこそ美しいプロポーションと、意のままになる軽快な走り、そして驚くべき燃費性能を手に入れることができたのです。
この車を選ぶということは、自分のライフスタイルを明確に定義するということです。
「私は、私のために走る」という宣言でもあります。
普段は一人か二人で移動し、上質な空間でリラックスしたい。
でも、大きな車を持て余すのはスマートじゃない。そんな現代の都市生活者にとって、LBXの「割り切り」は、欠点ではなく美学となります。
もしあなたが、後席の狭さを許容できるなら、LBXは期待以上の満足感を返してくれるでしょう。
それは、単なる移動手段を超えた、あなたの日常を少しだけ豊かにする相棒になるはずです。
まずはディーラーで、運転席に座ってみてください。
背後の狭さを確認した上で、それでもステアリングを握りたいと思えたなら、それがあなたにとっての正解です。
- LBXがおすすめな人
- 普段は1人、またはパートナーと2人で移動することが多い
- 大きな車は不要だが、内装の質感や静粛性には妥協したくない
- 燃費性能と維持費の安さを重視する
- デザインと「レクサス」ブランドの所有満足度を求めている
- LBXをおすすめできない人
- 中学生以上の子供がいるファミリー層
- 後ろ向きチャイルドシート(新生児)を使用する予定がある
- キャンプやゴルフで多くの荷物を積む機会が多い
- 後部座席に頻繁に人を乗せて長距離移動をする


